コミックの「著作権」と「引用」

id:rir6氏の日記は毎回「お盛んなことだなぁ」と見させてもらってるんですが、コメントで一部気になるモノがあったので一筆。とくに論旨について触れるつもりはありません。正直めんどいっす。
著作権」あるいは「作者の許諾」という批判(?)コメントがいくつか見受けられたのですが、コレについては『脱ゴーマニズム宣言』騒動で一応の決着が付いているはずです。法学を専らとしているわけではないので、新知見などがあるやもしれませんが、その辺はご指摘ください。


結論から言えば、
「研究、批判、評論目的(フェアユース)の場合、マンガのコマ無断引用は合法」
です。
もちろん、パロディーや悪意有る引用(本文と引用の主従が逆転しているなど)は認められていないはずです。rir6氏のエントリは(内容はどうあるにせよ)慣例的な批判の形式を採っています。また、該当エントリのタイトルから推察するに、彼はこの判例を知っており、確信的に引用を行っています。「著作権が…」とか「罰金が…」などのコメントをされた方には残念ですが、確実に「大漁々々」と嘲笑われているように思います。


さて、最後に感想を。如何に批判のためとはいえ、「著作権!」と騒ぎ立てる方々は、その発言が己の首を締め上げる可能性があった/ある、ということを認識されているのでしょうか。批判のための批判が、自ら批判の可能性を狭めるかもしれないことに。仮に、コミックの研究、批判、評論のための正当な引用が違法ということになっていたなら、webと批判と評論の魅力の一部は、確実に減じていたのではないでしょうか。もちろん、それでも構わない、むしろそう(著作者は厳重に守られるべき)あるべきだ、という意見をお持ちならば、「それは私の意見と違いますね」と言うだけなのですが。
以下参考サイトです。

マルチメディア・インターネット事典
『「脱ゴーマニズム宣言」における民事訴訟
http://www.jiten.com/dicmi/docs/k16/18650.htm


日本ユニ著作権センター
判例全文
【事件名】『新ゴーマニズム宣言』の肖像権侵害事件(3)
【年月日】平成16年7月15日
 最高裁(一小) 平成15年(受)第1793号、1794号 謝罪広告等請求事件
 (原審・東京高裁平成14年(ネ)第3647号)
http://www.translan.com/jucc/precedent-2004-07-15c.html


ARTIFACT-人工事実-03.07.28
『画像引用はどこまで認められているのか?』
http://artifact-jp.com/mt/archives/200307/picturequotation.html


著作権はまだまだ奥が深いのですが、とりあえず。